愛媛県松山市にある老舗和菓子メーカー「うつぼ屋」のサブブランド「utuboya momo」を考案し、コンセプトからその他アウトプットに至るまでのブランディングデザインを制作した。
ロゴマーク
百をモチーフとしたロゴデザイン。色とりどりに変容する坊っちゃん団子の柔軟さをグラデーションで表現した。
ロゴマーク別案
うつぼ屋の屋号の由来となった「うつぼ舟」をモチーフとしたロゴ案。茨城の海岸に漂着したと云われる鉄製の舟に入った赤髪の蛮女を表現した。
×和菓子屋感が薄い。
×縮小した際に潰れる。
店舗・店内サイン
出店予定地は道後ハイカラ通りというアーケード街。自然と入ってみたくなる半円形の入り口、そして新しい和菓子体験に没入できる素朴で居心地の良い内装を意識した。トイレのサインも坊っちゃん団子を思わせる設計に。観光地に店舗を構えるため、公共性の高いデザインを目指した。
入り口サイン
店舗概要を簡潔に伝えられるサインを意識した。坊っちゃん団子を思わせる特徴的なフレームとプレートを組み合わせたサイン。
制服
豊富なフレーバーを扱う店舗だからこそ、制服のバリエーションも豊富に。何より、「これを着て働きたい!」と思えるデザインを目指した。
パッケージ
お土産用のギフトパッケージ。ブランドコンセプトに則り、多数のカラーバリエーションを制作。全種類を買い揃えたくなるような賑やかな色合いに。
6個入りを想定。団子と串は別々で包装されており、自分好みに組み合わせることができる。
ショップカード
utuboya momoの概要を記載したショップカード。20cm四方のサイズにし、世界観が伝わり印象に残るカードに仕上げた。
紙袋
テイクアウト用の紙袋。手に持って街中を歩くため、ロゴを大きく配置することで一種の広告としても機能するデザインに。
サブブランドを考案した経緯
松山市を代表する銘菓である「坊っちゃん団子」の他、「松山タルト」や「どら焼き」などの定番商品を販売するうつぼ屋は、若年層からの売上率が低い現状にあった。しかし、元より老舗メーカーとして高い知名度を誇っており、明治時代のレトロな雰囲気を感じる昔ながらの商品たちには定評があった。そのため、メインブランドは残したまま、若者向けに新たな和菓子体験を提供するサブブランドを考案。うつぼ屋の魅力を知ってもらうための入り口となるブランドを目指す。
課題分析
1.現行商品が若年層に刺さらない理由
・和菓子は格式高い印象で、気軽に食べられない
・価格が高い
・コーヒーや紅茶に合わない
などの理由から、和菓子を食べる10〜20代の若者が少ないことがわかった。
2.うつぼ屋のブランドイメージがわからない
展開している商品が多いことや、他にも同じ商品を売っている老舗メーカーがあることから、うつぼ屋がどういうメーカーなのかはっきりわからない。
市場調査
うつぼ屋ならではの主力商品を考える
×松山タルト
一六本舗...
400年という長い歴史を持ち、こだわりの製法、素材から高い評価を受けている。松山タルトと言えば一六タルト。
×みつ豆どら焼き
薄墨羊羹本店...
江戸時代から羊羹を作り続けてきた﹁餡﹂のスペシャリスト。高品質のどら焼きを提供する。
⚪︎坊っちゃん団子
うつぼ屋...
国体にて、両陛下よりご用命をいただいた実績があり、道後温泉本館の茶菓子としても使われている。数ある類似品の中でも唯一卵を使用していないため、より多くの人々に愛されており、お土産としても不動の人気を誇る。
以上により、模倣困難性の高い唯一の坊っちゃん団子を提供していることがわかった。主力商品である坊っちゃん団子にシフトしたブランドを設計する。
市場ポジション設定
その場でできたてを提供でき、本格坊っちゃん団子をたくさんの味で楽しめるブランド
坊っちゃん団子を専売するブランドとすることで、比較する競合他社が「老舗和菓子メーカー」から「坊っちゃん団子販売店」に変わるため、それらと差別化しうる市場ポジションを設定する。
「たくさんのフレーバーから選んでオリジナル団子を楽しむ」という新しい和菓子体験と掛け合わせることで、坊っちゃん団子専門店との差別化を図る。
「その場で出来立てを提供する」ことで他店との差別化を図るとともに、「人と人との繋がりを大切にする」といううつぼ屋の理念を体現し、メインブランドのイメージとの整合性を保つ。
コンセプト設定
ブランドコンセプト
一筋の伝統は、百様のおもてなしへ
ブランドステイトメント
百年もの間、変わらぬ美味しさで松山を象徴してきた坊っちゃん団子の伝統から、全く新しい和菓子体験をあなたに。好みの味わいを好きなだけお選びください。百様とある日常を彩る、あなただけの唯一つの坊っちゃん団子を、utuboya momoはお届けいたします。
ブランド名
utuboya momo
読み:うつぼや もも
屋号「うつぼ屋」に「百」を意味するももという言葉を加えたブランド名。英語表記は小文字、日本語はひらがなにし、親しみやすく可愛げのあるイメージを表現した。